経営者を軟禁する非正社員の労使交渉?
非正社員はいろいろな業種にまたがっているが、実際には専業主婦のパート労働者が相当数いるため、産業別に組織化されたとしても、それほど大きな力を発揮するとは考えにくい。やはり、卓越したリーダーが現れて非正社員のナショナルセンター(労働組合の中央組織)のような労働組合を組織化できるかどうかがポイントになるが、仮にそうなった場合、ものすごい力を発揮する可能性がある。彼らは、個別の経営者と様々な交渉を行うだろうが、場合によっては、今年3月にフランス南西部でソニーの工場が閉鎖された際、解雇条件を巡って経営者が軟禁されるという事件が起こったように、激しい労使交渉が展開される可能性もあるだろう。
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もちろん、非正社員労組の活動は個別の労使交渉にとどまらない。日本経団連などの経済団体に働きかけたり、労働者派遣法を有利に改正しようと政府に働きかけたり、連合など既存の労働組合との連携を模索したりするだろう。日本のような成熟した先進国の場合、ハードな賃上げなどよりも、政策決定過程に影響を与えて、非正社員に有利になるような政策を作らせる方が得策だからである。場合によっては、彼らは国際舞台を活用するだろう。日本の労働組合は連合系、全労連(全国労働組合総連合)系を問わず、国際労働機関(ILO)へ様々な訴えを起こすことが多い。私は厚労省時代、ILOを二度担当したが、日本の労組はILOへ様々な訴えを起こすだけでなく、国際的案件となると些細なことでも日本のマスコミが取り上げるため、随分とこの種の仕事に苦労させられたものだが、ILO内部には様々な流派があるだけに、日本の非正社員の抗議は大きく取り上げられる可能性も高い。
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