転職を決意
2011.12.17
アメリカのコンピューターメーカーの日本法人にスカウトされたのが理由だ。新規に立ち上げるプロジェクトに、どうしても彼の往年の技術が必要だという。年俸は若干上がるものの、契約期間は二年。その後の雇用は保証がない。まして、このタイミングで自己都合の退職をすれば、退職金は数百万円減ってしまう(たいていの日本企業では、退職金は五〇代からぐっと上がる)。それでも転職を決意した彼が何を考えているのか、最初はよく理解できなかった。
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ただ、その目が生き生きと輝いているのを見て、私はそこに働くことの真の意味を見たような気がした。彼はそのとき、「働く理由」を取り戻したのだ。たとえ二年後に契約更改されなくても、もう立ち止まることはないだろう。彼と同じ選択を、若さに溢れた若者ができないわけがない。自分の胸の奥にある動機に従うか、それともそんなものは忘れて、昭和的価値観に身をゆだねるか。決めるのは上司でも友人でも親でもない。自分自身だ。
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