維持できなくなった「高価」なシステム
職能資格制度あるいは職能システムは、それを維持するためにコストのかかる制度であることは間違いない。しかし、雇用の安定の裏返しとしての過剰雇用のコストであれ、昇進の期待を叶えることの裏返しとしての過剰昇進のコストであれ、従業員にとってそれはベネフィットというものである。職能資格制度に付着するコストを高コストと見るのか、高ベネフィットと見るのか、いずれにせよそれは「高価」なシステムであるといってよい。と同時に、この制度が、柔軟な職務編成とそれに基づく高技能形成を可能とした。
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このことが生産効率性を実現し、労働のパフォーマンスを引き上げる限りにおいて、コストはパフォーマンスに見合っていた。つまり「高価」なシステムはペイするものであった。換言すれば、労使関係/技能形成/労働生産性の機能連関は、高コストと高パフォーマンスのバランスという意味での高機能連関を形成するものであった。これが日本型雇用システムの存続の基盤であった。このような意味での高機能連関が、日本型雇用システムだけに成立するなどといいたいわけではない。それは一般に競争優位の産業の雇用システムというものであり、それが日本経済においては、製造業を中心とする分野に成立した。
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